第4章 期待の大型新人
教室につくと、
既に渚が教室に居た。
「おはよ。渚。」
「あ!楓ちゃん!おはよ!ねぇねぇ聞いて!!」
渚はぱっと目を輝かせると、
すぐに私に駆け寄った。
「お!どうした?早速誰か入部したのか?」
「ううん!違うよっ!」
違うんかいっ!思わず突っ込みそうになったが、
辞めておいた。
「あのね!うちのクラスに竜ヶ崎くんって居るでしょ?」
渚は嬉しそうにそう尋ねた。
竜ヶ崎…?
私は辺りを見回した。
…あ。
「あぁ、あの眼鏡の真面目そうな奴か。で?」
「そうそう!あのね、竜ヶ崎くんね、いつも一駅前で降りて走って学校まで来てるんだよ!すごいよね!」
渚は尊敬のまなざしで
竜ヶ崎を見つめて居た。
竜ヶ崎は気がついたのか迷惑そうに
大きくタメ息をついた。
「…すごいけど…。それだけ?」
私がそう尋ねると、渚は大きく首を縦に振った。
…結局勧誘はまだなんだ。
まぁ、ぼちぼちやっていくしかないか。