第4章 期待の大型新人
「うん!出ようよ!大会!それでまたリレー泳ごう!」
渚は嬉しそうにそう言った。
「俺はフリーしか泳がない。」
遙先輩がそう言い放つと、渚は必死でリレーに誘っている様子だった。
「せっかく4人揃ったんだしさぁ!!」
渚は私の方を指差してそう言った。
私はそれを聞き逃さなかった。
「いやいや、僕大会は出ないから。」
「えぇ!?な、なんだって!?」
渚はあたかも知らなかったような反応をした。
…やっぱりなんか腹黒い…。
「コラコラ、楓は大会出ないって約束で入ってもらったんだから!無理に誘っちゃだめだぞ!渚!」
真琴先輩がすかさずフォローに入ってくれた。
「ぶー!!…じゃぁ、やっぱりもう一人は部員が必要かぁー。」
渚はバタンと倒れて天井をじっと眺めた。
こうして、
岩鳶高校水泳部は新たな部員を求めて動き出したのであった。