第4章 期待の大型新人
『ハァーックシュンッ!!!!』
室内に遙先輩のくしゃみが響き渡る。
「大丈夫ですか?」
私は慌ててティッシュを差し出す。
「ん。」
遙先輩は私からティッシュを受け取ると鼻を拭いた。
「まだ4月なのに泳ぐから風邪引いたんだろ。」
真琴先輩はクスクスと笑う。
「きっと、誰かが噂してるんだよぉー!あ、凛ちゃんとか!」
渚のその発言に私以外の二人は反応した。
…凛ちゃん?
誰だそれ?
…っは!
もしかして…遙先輩の彼女とか!?
「ゴウちゃんから聞いたんだけど、凛ちゃん!鮫塚水泳部に入ったらしいよ!」
渚が続けてそういうと、
真琴先輩はまた驚いた顔をした後、
静かに笑った。
「じゃぁ、また大会で会えるね。」
…大会で会える…。
という事は男か?
私の頭はハテナでいっぱいだった。