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緋寒桜散り行く日陰。☆Free!

第3章 共同作業。


「おじゃましまーす。」

思わずキョロキョロと部屋の中を見回してしまう。
とってもシンプルな家だった。


「まぁ、座って。ハルがサバ焼いてくれるらしいから!」
橘先輩はそういうと私の方へ座布団を渡してくれた。


「あ。ありがとうございます。」

七瀬先輩の方をチラっと見ると、
早速エプロンを着て、台所に立っていた。

「ねぇねぇ、楓ちゃん。ちょっと聞きたい事があるんだけど…」

葉月くんが私の隣に座り、
上目遣いで顔を覗き込んできた。


「なんだよ?」



すぅっと深呼吸をし、
葉月くんはこちらをじっと見つめた。




「楓ちゃんってさ…本当に男?」




その葉月くんの問いかけに空気が凍った。



「ちょ!渚!何言ってるんだよ!テレビで何回も水着姿見たろ!」
慌てて橘先輩がフォローを入れる。


「えー!でもぉ!楓ちゃんなんか可愛いし!だって、今日の楓ちゃんの笑顔!二人ともドキドキしたんでしょ!?」


"ガチャンッ"


葉月くんのその発言に動揺したのか
七瀬先輩はコンロから焼き魚用の網を落とした。


「わぁ!?七瀬先輩大丈夫ですか!?」

慌てて私は駆け寄り、
落ちた網を拾おうと手を伸ばす。

が、同じタイミングで手を伸ばした七瀬先輩の手に触れてしまった。


「…っ!!!////」




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