第2章 泳ぐのは『好き』ですか?
「だって名前が女の子みたいじゃない!楓ちゃんって!可愛い名前!」
…。
…。
…。
余計な心配して損した。
「んなの、お前だって渚って名前で女みたいじゃん。」
私がそういうと葉月くんはにっこりと笑った。
「うん!一緒だね!運命だね!だから、水泳部はいろ!ねっ!ねっ!いいでしょ?」
わけがわかんねぇ、こいつ…。
「だから嫌だっつってんだろ!」
今のうちに出口から逃げよう。
私は一心不乱に出口を目指し歩き始めた。
「ぶー!水泳部入ってくれないと、楓ちゃんは実は女の子だーって学校中に言いふらしちゃうぞぉー!」
その一言で私は歩みを止めた。