第2章 泳ぐのは『好き』ですか?
「勝手にしてろ。」
私はそう言い放つと屋上の手すりに寄りかかり
空をじっと見つめた。
すると、葉月くんがまた隣へやって来てじーっと私を眺めた。
「なんだよ?」
眉をひそめてにらみ付ける。
「楓ちゃんってさぁ…」
「あ?」
「女の子みたいだよね?実は女の子なんじゃない?」
…
…
…
「んなわけねぇ~だろぉぉ!!!???」
動揺から思わず声が裏返った。
なんだ!?
この2年間ばれなかったほど男装は完璧なはず。
胸だって高1女子にしてはぺったんこだし、
顔だってお兄ちゃんそっくりだし・・・
つっても、まぁ、お兄ちゃんも女顔って言われてたもんな。
いやいやいや。
いきなりバレるとか…やばすぎんだろ!!??
「な…なんで女だと…思うんだよ。」
恐る恐る尋ねると、
葉月くんはにっこりと笑った。