第2章 泳ぐのは『好き』ですか?
先ほどの金髪の少年だった。
「…えっと…何?」
「へへへー!僕、葉月渚って言うんだ!宜しくね!楓ちゃん!」
そう言いながら少年は私に手を差し出した。
「か、楓ちゃん!?」
私はその握手を無視して、
怪訝そうな顔をして見せた。
この迷惑そうな表情で察してどこか消えてくれないかなぁ。
…なんて事はなかった。
少年は無理矢理私の手を握ると、
ブンブンと上下させながらニコニコと笑った。
「楓ちゃんはさっ!泳ぐの好き!?」
「は?…いや…どっちでもない…けど…。」
私がそう呟くと葉月くんはニヤリと笑った。
「どっちでもないって事は嫌いでもないんだよね!?」
「…まぁ。別に…。」
「じゃぁさ!水泳部入ろう!!!!」
「へ!?」