第2章 泳ぐのは『好き』ですか?
金髪の丸い可愛い目をした少年が
目をキラキラさせながらこちらを見つめて居た。
…なんだかすごく嫌な予感がした。
席は最前列になった。
あの少年の隣…とかならなくてよかった。と安心した。
ホームルームが終了すると、
一気にクラスメート達が私の方へ群がってきて、
私にいろいろなことを質問してきた。
8割が水泳のことだった。
慣れっこではあるが、
この瞬間が一番憂鬱でしんどい。
まぁ、いつもならここに水泳部の勧誘があるから
ここには水泳部がないぶん楽なのかもしれない。
適当に受け流すと、
私は逃げるようにその場をすり抜け、
屋上へと向かった。
やっぱり面倒くさい。
転校初日ではあるが、ここでさぼろう。
私は屋上に寝転ぶとゆっくりと流れる雲を見つめた。
ふっと目の前が暗くなり、
風景が流れる雲からニヤリと笑う少年の顔に変化した。
慌てて体を起こすと、
その少年は嬉しそうに私の目の前に座り込んだ。