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緋寒桜散り行く日陰。☆Free!

第2章 泳ぐのは『好き』ですか?


今日から通う事になる
岩鳶高校の門をくぐり、職員室へ向かう。


職員室へ挨拶をすませると、
予鈴がなるまで待機させられた。


教師たちがもの珍しそうな顔で私を眺め、
声をかけてくる。


「西島くん、もう水泳はやらないの?」
「どうして急に引退したの?」
「もったいないよなー。金メダル確定って言われてたのに。」



その問いかけに私は愛想笑いをしながら誤魔化す。

この対応にはこの2年間の間でだいぶ慣れた。


どうしてあの日、兄がいなくなったのか
そんなのは私にはわからない。


でも、兄は


『自由がほしかった』んだとおもう。



予鈴が鳴り響く。
教師と共に教室へ向かう。



あぁ。今回もまたこの瞬間がやってくる。
憂鬱でたまらなかった。




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