第5章 コンパス
帰り道、歩きながら今日あったことを思い出してた。
「あっ…」
そうだ俺っ…
二宮くんと相葉くんが乱入してきたからすっかりどっか飛んでってたけど…
松本くんとキス、したんだ…
「どっ…どうしよう…」
しかもあの後、松本くんのほうから俺に抱きついてきてくれて…
俺もぎゅっと抱きしめて…
またキスしようとしたら、松本くん逃げなかった…
もしかして…
松本くんも俺のこと…?
かあああっと顔が、身体が熱くなった。
もうすぐ12月だというのに、寒さも気にならないくらい熱い。
口を開けていたらなにか出ていきそうだったから、手で口を覆った。
相葉くんと二宮くんの姿が蘇った。
とても二人、幸せそうで…
あんな二宮くん見たことなかった。
相葉くんは男らしくて、頼り甲斐があって…
男同士にこだわってたけど、俺たちもああなれないかな…
「うわお…」
呟いて俺は歩き出した。
やってやろうじゃないか。
俺だって男だ。
もしかして俺のこと好きでいてくれるかもしれない…
そうじゃないかもしれない。
でも、俺は自分の気持ちを伝える決心をした。
空を見上げたら、綺麗な星空が見えた。