第5章 コンパス
松本side
土曜日、普段寝起き悪いのにすんなりと目が覚めて、朝から家中掃除した
いや、何回も掃除してない状態で大野さん来てるんだけど
でも時間があるならキレイにしたい
今日はお礼だし…誕生日だから
掃除が終わったら買い物に行ってハンバーグの材料を買ってきた
ケーキは悩んだけど…やめた
甘いもの好きかわからないし…
代わりにちょっと高めのシャンパンを買ってきた
家に帰ってきて一息つくと、インターフォンが鳴った
「はーい」
応答しながら解錠して玄関を開ける
「お邪魔しまーす」
入ってきた大野さんは
黒っぽいデニムに白い長袖にダウンを着たラフな格好で
久しぶりの私服の大野さんにドキドキした
「これ、うまそうだったから」
差し出された紙袋にはシンプルな洋菓子の箱が入っていて
「ありがとうございます」
リビングに入った大野さんは
「あったけー」
そう言ってソファで寛いでる
勉強見てもらってたときとか頻繁に来てるから
自然な雰囲気で過ごしてくれるのが嬉しかった