• テキストサイズ

大野さんと松本くん

第5章 コンパス


松本side

その日から大野さんは、平日ほぼ毎日勉強を家で見てくれた

必然的に夕飯も外で一緒に食べるようになって

これまでキツく感じることもあった勉強が、楽しいものになった

「明日は本番だな、頑張れよ」

試験前日、大野さんはそう言って背中を叩いてくれた

「毎日ありがとうございました」

大野さんにこんなに教えてもらったんだから失敗するわけにはいかないと、多少緊張してた試験は俺的にうまくいって

“バッチリでしたっ!”

大野さんにメールを送った

でも、もう毎日大野さんとご飯に行ったり、遅くまでうちで一緒に過ごしたりできないと思うと寂しかった


「大野さん、今年は何がほしいですか?」

仕事中、偶然聞こえてきた二宮係長と大野さんの会話

「んー…なんでもいいよ」

「なんでもいいって1番困るんですよ?…あ、今年26日土曜日なんですね…」

…大野さんの誕生日とか、かな

毎年プレゼントをあげてるようなその言葉に若干妬く気持ちはあるけど、それよりもその情報の価値は大きくて

26日に大野さんを家に誘って、勉強のお礼をしようと決めた
/ 207ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp