第5章 コンパス
松本side
ふわふわと気持ちよくて…大好きなにおいに夢の中で包まれていると
あったかいものにふわっと髪を撫でられた
「ん…」
離れていくそれが寂しくて
手を伸ばしてきゅっと掴むと
伝わってるかのように、また髪の毛が撫でられる
「ふふ…」
幸せで…心地いい…
そのまま気づいたら体がなんとなく揺れていて
意識が現実に戻された
「ん…え…?」
目を開けると大野さんに膝枕してもらっていて、ここは…タクシー…?
「あ、起きたか」
「あれ…俺…」
うまく状況が掴めないまま、大野さんを見上げると
俺が起きなかったからタクシーまで運んだことを説明された
「えっ、あ、すいません…っ」
慌てて膝から起き上がろうとすると、それを軽く抑えられた
「松本くんの家に着くまでもう少し休んでろ」
「…ありがとう、ございます…」
大野さんとくっついてる部分が熱かったけど
こうしていられるのは気持ちよくて…
明日からまた、頑張るためのパワーを貰うように
家までお言葉に甘えてもう1回目を閉じた