第4章 USBメモリ
松本side
ハンカチでジーンズを拭いてくれた大野さんの手が
偶然俺のソコに触れた
「…っ」
反応しそうになって、慌てて大野さんの手を止める
「松本くん?」
「あ…もう、大丈夫です、ありがとうございます…」
そのあとも、昨日のことを思い出してしまうから、どうしていいかわからなくて
でも、チラチラと大野さんが俺のことを気にしてくれてるのがわかるから、こんなことばっかり考えて、心配かけてるのが申し訳なくて
目を瞑って寝てるフリをした
そうしたら東京に着く頃には、いつの間にか本当に眠ってしまっていて
「松本くん…着いたぞ…」
体が軽く揺れて、目を開けると大野さんが目の前にいて
「わ…っ」
びっくりした
「大丈夫か?帰ったらゆっくり休めよ?」
「はい…ありがとうございます、大野さんもゆっくり休んでください…」
ぎこちない会話しかできないまま新幹線を降りて
各自解散を二宮係長から告げられたから、ポケットから車の鍵を取り出した