第4章 USBメモリ
大野side
一気に、身体の芯が熱くなった。
松本くんの白い裸体が目の前にあった。
お湯を浴びてか、酒のせいか全身ほんのり赤くて…
Yabai!!
慌ててタオルで股間を隠した。
「あ~あ…松本くんも来たのか!」
「あ…は、はい」
「お、俺~露天入ってこうかな、あ、松本くんも来る?」
「え、ええ…」
松本くんも股間をタオルで覆って立ちあがった。
二人で露天風呂に繋がるドアを開けて出た。
「へえ…凄いな。内風呂みたいなのに、ここ窓がないんだ」
ここは「大黒部」って浴場で、内風呂を出るとまた内風呂があるみたいな感じ。
冬になるとすっごい雪が降るから完全な露天にはできないんだって。
外は真っ暗で見えないけど、昼間入ると紅葉が見える。
お湯に足をつけ、そろりと中に入る。
俺は熱いのが苦手だ。
ちょっと熱い…
そのままお湯の中を進んで、外の見える方に向かう。
ガラスの柵まで来ると、見えないけど外をぼけっと眺めた。
松本くんが静かに隣に立つ。
腰にタオルを巻いて、ギリシャ彫刻みたいな綺麗な身体…
あ、またYabai…
鼻血、出てないだろうか俺…
少し、前のめりでなんとか堪えた。