第4章 USBメモリ
松本side
「松本主任っ、飲んでますかぁ!?」
大野さんが二宮係長を連れて部屋に戻ってすぐ、近くの席で飲んでた部下が肩を組んできた
体を揺らされて頭がクラっとする
俺もちょっと酔ったな…
「飲んでるよ、でも俺ちょっと戻るわ、明日もあるんだから程々にしとけよ?」
「ええーっ?もっと飲みましょうよぉ!」
絡んでくる部下に、悪いなと言いながら場を抜け出した
頭の中では大野さんと二宮係長が気になって仕方ない
送り届けてそのまま一緒に寝ちゃったりとか…いや、ないない…大野さん酔ったって言ってもしっかりしてたし
緩く首を振って考えを追い出した
でも次から次へといろいろ考えてしまって
「風呂でも入ってスッキリしよう」
わざと声に出して、準備をして部屋を出た
洗い場にタオルやらを置いてシャワーで体を軽く流す
そのとき隣の人に腕がちょっとぶつかってしまった
「あ、すいません」
「いえ、大丈夫ですよ」
そう言って隣の人がこっちを見た
「え?大野さん…?」
「松本くん…」
二宮係長と何もなかったんだ、と思うより先、初めて見る大野さんの体に、俺の心臓がドクっと脈打った