第4章 USBメモリ
大野side
足が痺れて上手く歩けない松本くんに肩を貸して、暫く立ち止まる。
あ、いい匂い…いつもつけてるコロン…
ここまで近づくとやっぱり香るんだな。
そう思ったら、何だか我慢できなくなって…
ふらついてる松本くんの腰に腕を回して支えた。
「おっ…大野さんっ…」
「いいから、治るまで寄りかかってろ」
「すいません…」
また頬が薄赤に染まった。
こんなことで照れる松本くんがとてもかわいい。
他の男に対しても…こんななのかな…
ちょっとじぇらしー…
ぐいっと腰を引き寄せて、身体を密着させた。
「あ…あのっ…」
「いいって…このまま…」
暫く、そうやって二人身体をくっつけてた。
松本くんは動きをとめてじっとしている。
左半身が熱い…
伝わってくる松本くんの熱を、いつまでも感じていたかった。
「あー!いたー!」
身体がビクリとなって離れた。
「なにやってんですか!もう!」
二宮くんがぷりぷり怒って走ってきた。
「もうバス出ますからね!次は黒部ダム!」
「えっもう!?」
「ここは30分しか居ないって言ったでしょ!?」
聞いてなかった…
「大野さん、いきましょ?」