第4章 USBメモリ
松本side
サボりなんてよくないと思いつつも
大野さんのところにいたい気持ちには勝てなくて
監視を理由に隣にしゃがみ込んだ
二宮係長…すいません…あとお願いします…
「そのタバコいいにおいしますね」
「そうか?」
「はい、なんか煙が甘い香りがします」
「ああ、そういえばそんなタバコだったかもな…」
「おいしいんですか?」
「俺はこれが1番すきだ」
他愛のない話をしながら
時折大野さんを盗み見ていると
大野さんが短くなったタバコを揉み消した
「はぁ…戻るか」
ため息を軽くつきながら大野さんが立ち上がって言う
「早く戻りますよっ」
まだ2人でいたい気持ちはあったけど
俺は元々連れ戻しに来たんだったと、ちょっと怒った口調で言いながら立ち上がろうとすると
「ぉわっ…」
足が痺れてそのまま後ろに尻餅をついた
「ぃって…」
なんとか立ち上がっても
ビリビリとする足を引き摺るようになってしまう
「何やってんだ、大丈夫か」
「すいません、足が痺れて…」
大野さんが肩を貸してくれた
それに掴まって軽く足を動かしたりして…
結局痺れが治るまでもう少しサボってしまった