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大野さんと松本くん

第4章 USBメモリ


大野side

担当者に首都圏からの企業誘致について講義を受けた。
会議室は資料をめくる音と担当者の声。
外資で商社だから関係ないといえば関係ないが、取引先にいろいろな提案をする上で、欠かせない話ではあった。
ちらりと隣の松本くんを見たら、真面目な顔で話を聞いている。

かわいい…

講義が終わると、そこはさすがの製造業で企業パークがあってそこで色々なものづくり体験をできるということだった。
俺はだるいので、外の喫煙所でサボることにした。
二宮があとは上手くやるだろう。

二本目のタバコを口に咥えたところで、松本くんに見つかってしまった。

「大野さん、探したんですよ!なんで居ないんですかっ」
「いや~…すまん。ああいうの苦手で…」
「課長なのにっ相手に失礼じゃないですか!」
「大丈夫だよ…お姉さんしかいねえじゃねえか…」
「もうっ」

そう言って、俺の隣にしゃがみこんだ。

「…なにしてんの…?」
「俺もここにいます」
「え?なんで?」
「大野さんの監視をします。どっか行かれたら困ります」
「ええ~…ガキじゃあるまいし…」
「知りませんっ」

ぷりぷり怒ってる松本くんもかわいかった。
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