第3章 ホワイトボード
松本side
「ごちそうさま」
夕飯も大野さんはキレイに完食してくれた
さすがに…もう引き留められないよな…
だけどせっかくこんなに近づけたんだから
また明後日からただの上司と部下なんて嫌だ…
「あの…っ、また来てくれますか?」
「え?」
「あ、いや、一人で食うのはつまんないから、だからまた食べに来てくれたらな…って…、そんなたいしたものは作れませんが…」
尻すぼみになっていく言葉を
大野さんはしっかり聞き取ってくれた
「迷惑じゃなければ、またお邪魔させてもらうよ」
その返事が嬉しくて大野さんを見ると
大野さんも嬉しそうに笑っていた
またココに来てくれるときのために、とプライベートの連絡先も交換して
玄関まで…と思ったけど
やっぱり車の鍵を持って玄関に行く大野さんを追いかけた
「あの、送ります、送らせてください」
夕飯まで引き留めたのは俺だし
少しでも一緒にいたいから
「大丈夫」
と、遠慮する大野さんと半分無理矢理一緒に外に出て
「はい、乗ってください!」
車の助手席に押し込んだ