第3章 ホワイトボード
松本side
「だめですっ、俺が誘ったんだし、コレは昨日のお礼ですから!」
会計のとき払うと言う大野さんとのやり取りに
店員さんに笑われた
なんとか支払いは俺がして
買ったものを袋に詰めると
「片方持つよ」
俺の右手から袋を一つ奪われた
「あ、ありがとうございます…」
その仕草にまた心臓がうるさい
…俺、今日今年イチ幸せかも…
もう少しだけ…恋人気分味わえるようなこと、してもいいかな…
「大野さん、映画とか好きですか?」
隣を歩く大野さんに聞いてみた
「たまにテレビでやってるのとかなら見るけど…」
「帰ったら、DVD見ませんか?」
好きって程ではないのかな…と思ったけど
どうしても大野さんと映画が見たくて誘ったら
「いいよ、やることもないし、見るか」
そう言ってくれて
心の中でガッツポーズをした
帰ったら早速飲み物を準備して
リビングのカーテンを閉めて
DVDをデッキにセットして
大野さんとソファに並んで座って
簡易映画館的なものを作った