第3章 ホワイトボード
大野side
部屋着のまま外に連れだされそうになった。
「ま、松本くん…この格好じゃ…」
「ああ、そうですね。なんか貸しますから」
ちゃきちゃき動いて俺に服を手渡した。
サイズ…大丈夫だろうか…
「多分サイズ感とか大丈夫だと思うんで…」
そう言うと、松本くんは着替え始めた。
「ちょっ…待て!お、俺、あっちいって着替えるから」
「えっ?」
慌てて脱衣所に入って着替えた。
シンプルなTシャツにグレーのパーカー。
ボトムはベージュのハーフパンツだった。
「なるほど…これなら足の長さ関係ないな…」
やっぱり松本くんは頭がいい。
仕事も卒がない。
融通のきかない面もあるが、それが逆に信頼感に繋がる。
「いい部下持ったな…」
俺の好きな奴は、なんだってできる凄いやつ。
着替え終わったらすぐにスーパーに連れだされた。
サンダルまで貸してくれた…
「牡蠣は鮮魚コーナーで…」
スーパーに入ると、ぱっぱとカキフライに添えるサラダの材料とかカゴに入れてく。
俺はカートを押しながら見てるだけ。
Tシャツにジーパンのシンプルな姿が眩しい。
皮のブレスが色の白さを引き立ててた。