第3章 ホワイトボード
松本side
彼女いないってことが嬉しくて
思わず夕飯に誘っていた
「迷惑なんかじゃないですっ」
食い気味に言うと
「じゃあ…ご馳走になろうかな…」
またふにゃりと大野さんが笑った
「何がいいですか?てか何が好きですかっ?」
「んー…何でも作れんの?」
「本格的なものでなければ…」
俺の言葉を聞いて大野さんはちょっと考える仕草をした
「じゃあカキフライ食いたい」
「好きなんですか?」
「うん、結構好き」
まだ一緒にいれることになって
好きな食べ物まで知れて
もう緩む頬が抑えられなかった
「じゃあ、時間もあるし買出し行きましょうよ!」
「え?わざわざ買うなら別のものでも…」
「外に出るのも健康にいいですよ!ほら」
楽しくて、嬉しくて
子供のように大野さんの手を引っ張っていた