第3章 ホワイトボード
大野side
「昨日あんなに飲んだのに、よく酒のこと考えられんな…」
そう言って笑ったら、また真っ赤になった。
「す、すいませんねえっ!」
言ったかと思うと、ぶどうジュース取り上げられた…
「飲むから…返せよ」
「いやです」
「もー、まっちゃん?許して?」
「いやです」
「それ美味しかったからよこせよー!」
「あたりまえです!フランスのボルドーのシャトーで作った白ぶどうジュースなんですからねっ」
「うっそ…そんなすげーもんなんで持ってんの?」
「通販で買えますっ」
「ますます飲ませろっ」
手を伸ばしてグラスを奪い取った瞬間、松本くんの身体がよろけて後ろに倒れていった。
「あっ…すまん、大丈夫か?」
慌ててグラスを置いて、抱き起こす。
「あ…」
松本くんが俺の腕の中で真っ赤になって俺を見てる。
やばい
キスしたい
「す…すみません…ありがとうございました…」
目を逸らしてそう言われて、我に返った。
「い、いや…こっちこそ、大人気なかったな」
沈黙のまま、いただきますしてペペロンチーノを食べた。
「お…うめえ!松本くん、うめえよ!」
親指を立てた。