第3章 ホワイトボード
松本side
風呂からあがってきた大野さんは
俺が貸したんだから当然だけど
俺の服を着ていて…
風呂上りの無防備な姿…
また新しい大野さんを知れて
ぽぅっと見つめていると
「大丈夫?二日酔い?」
大野さんの手が俺の頭に乗っかった
「ひぁっ…」
その手の暖かさに意識が引き戻されて変な声が出た
「松本くん?」
思わず手から逃れて下がったからか
不思議そうな目で見られて…
「あっ、平気ですっ」
慌てて質問に答えた
「俺も風呂入ってきます」
そう言って立ち上がると
目の前の大野さんからふわっといいにおいがした
嗅ぎなれたうちのシャンプーのにおいに混ざって
大野さんのにおい…
無意識に鼻を首筋に近づけていた
「うお、松本くん…っ?」
でもすぐに戸惑った大野さんの声がして我に返る
「あっ…すいませ…なんでもないです…っ」
言い訳もできなくて
クローゼットから服を取って浴室に飛び込んだ
熱いシャワーを浴びながら息を吐き出す
なにやってんだ…気づかれたらだめなのに…