第3章 ホワイトボード
大野side
奥さんみたいに俺の面倒見てくれて…
なんだか照れる。
渡されたバスタオルと服を持って、風呂に向かう。
ドアを閉めたら洗面台に向きあう。
鏡を見たら凄くだらしない顔をしていた。
あ、歯みがきたい。
ドアを開けて松本くんを呼ぶ。
「おーい。歯ブラシねえ?」
あ、なんか俺、旦那っぽくね?
赤面してると、パタパタとスリッパの音がしてスエット姿の松本くんが現れた。
少し顔が赤い。どうしたんだろ。
「こ、ここにありますから…」
洗面台の下の棚から新品を取り出すと、俺の手に握らせた。
手が触れて、ばっと松本くんと俺は飛び下がった。
「あ、じゃあ…ごゆっくり…」
な、なんだよ…
触れた手が熱い。
なんだよ…俺、こんなに松本くんのこと…
ぶんぶんと頭を振って歯を磨いた。
電気シェーバーを借りて髭も剃って、風呂に入ってすっきりした。
昨日の酒も抜けたようだ。
借りた服を着て、リビングに向かった。
「風呂、ありがとな。次、入ってきたら?」
濡れた髪を拭きながら言うと、ソファに座る松本くんは俺を見上げてぼーっとしてる。
「大丈夫?二日酔い?」
ぽんと頭に手を載せた。