第3章 ホワイトボード
大野side
眩しさに目を開けたら、天使が居た。
その天使がおはようというからおはようと返した。
天使は朝ごはんを作ってくれたという。
ここは天国なのか。
そこではっとした。
ここは松本くんの家だ!
洗面所を借りて、ついてしまった寝癖を直す。
歯ブラシ…貸して欲しいけど…言えない…
口くさくねえかな…何回もうがいした。
ばしゃばしゃ顔を洗って借りたタオルで顔を拭く。
松本くんの匂いがした。
一人で赤面した。
リビングに戻ると飯の支度がしてあった。
すげえ…こんなの作れるんだ…
「あの…昨日はすいませんでした、ありがとうございました」
ぺこりと頭を下げられた。
「いや…全然迷惑じゃねえから…」
なんだかまっすぐ顔が見られなくて。
だってほっぺにちゅーしちゃったし…
「い、いただきますっ」
余計なこと考えないうちに朝飯を食べた。
「うめえな…」
呟くと、お茶を淹れてくれながら松本くんは微笑んだ。
奥さんみたい…
「本当はパスタの方が得意なんですけどね」
松本くんが苦笑いしながら言う。
「食いたい!」
「ええっ…」
「…だめ?」
思わずおねだりしてしまった。