第3章 ホワイトボード
大野side
「あっ…ばかっ…」
強引にひっぱられてテーブルがガシャンと音を立ててずれる。
向かい側の松本くんはそれを見て、ケラケラ笑ってる。
「こんの~…!」
かわいいじゃねえか…天使かよ…
突然松本くんが立ちあがった。
「といれぇ~」
ふらっふらでまっすぐに立ててない。
「あ~もぉ~」
脇の下から腕を通して支えてやる。
「歩けるか?」
「おーのさん、いい匂い~…」
松本くんの顔が至近距離に近づいてきた。
「うわおっ…」
キス…しそうな距離…
唇が…鮮やかなピンク色で…
目が離せない。
「おしっこ…でる…」
「うわあ!漏らすな!」
慌ててトイレまで連れて行って、個室にぶちこんだ。
トイレの前で壁に凭れかかって溜息をつく。
松本くんへの気持ちに気づいてから、まともに顔がみられないのにあんなことされたら…
おかしくなっちまう…
ふらりトイレから出てきた松本くんは俺を見つめた。
「どうした?行くぞ…」
そう言って手を伸ばした俺の胸に…
松本くんは飛び込んできた。
「だっこ…おーのさん…」
「ふぇ!?」
大きな赤ん坊をだっこして、部屋に戻った。