第3章 ホワイトボード
大野side
あれから照れてしまって松本くんの顔をちゃんと見ることができない。
仕事はそうも言ってられなくて、普通にするんだけど…
やっぱり、気になる。
松本くんは、ラッキーセブン社のミスを綺麗に挽回した。
さすが1課で鍛えられてきただけある。
多分、冬の査定では係長になるだろう。
試験通ればの話だけど。
俺と違ってやる気あるし、あっという間に5課の人気者だし。
俺より課長向いてんじゃねえか…?
ちらりと端正な横顔を盗み見る。
…キス…しちゃったんだよ、な…
ふと二宮くんを見たらデスクに座りながら、パソコンに向かう松本くんを見てる。
暫く見てたら、頬杖をついてため息をついた。
二宮くん…松本くんのこと…?
さっき、ボールペンを拾ってやったときの顔が浮かぶ。
少し頬を赤くして、俺から超特急で目を逸らして…
誰にも…触らせたくないな…
「松本くん」
気がついたら、松本くんを飯に誘っていた。
「だぁから~…大野さんはぁ~なんで仕事中に釣りざっしゅみてるんですかあ…」
松本くんは、大虎だった…
会社帰り、個室の居酒屋で松本くんは飲み過ぎてる…
俺は絡まれてる…