第2章 温度計
大野side
医者で薬をもらってよく眠った。
夕方ションベンに起きた時、インターフォンが鳴った。
ひょいとモニターを見たら、松本くんが立ってた。
「んえ?なに…?幻?」
目を擦ってもう一回モニターを見るけど、やっぱり濃い顔がいる。
慌ててモニターマイクをオンにする。
「ど、どうしたんだよ松本くん」
『飯、作りに来ました』
買い物袋を掲げてる。
二の句が告げなくて、黙って鍵を開けた。
「あ…すいません連絡もしないで…」
ドアを開けたら、頬を薄い赤に染めた松本くんが居た。
「看病…させてください」
そう言って頭を下げられてた。
めまいにも似た何かが頭を駆け抜けていって…
ふらりとその場に腰を抜かした。
「大野さん!?」
松本くんは上がり込んでくると、ひょいと俺を抱っこした。
そのままズカズカ部屋に入っていって、寝室まで来てしまった。
「寝ててください!」
寝かされて布団を掛けられて、俺は呆然とした。
「おまえ…ラッキーセブン社どうしたんだ…」
「あ、二宮さんにも見てもらって無事に手配終わりました」
「あ、そ…」
よくあれだけの量処理できたな…
素直に感心した。