第8章 プレゼント
松本side
夕飯を作りつつ智を待ちながら
ふうっと息を吐き出した
昨日ニューヨークに連れて行ってと言った俺を
智は無言で抱き締めた
…あとは智の返事を待つしかできない
俺はせっかく声がかかったんだから大きなところで智に活躍してほしいと思ってる
でも…結論を出すのは智だから…
ぐつぐつと鍋から音がしたから、火を止めたとき
「ただいまー」
玄関から智の声がした
「おかえりー」
キッチンから返事をすると
智が隣に立って俺の腰に手を回してきた
「潤」
「ん?」
「メシの後、話があるんだ」
その言葉を聞いて、ニューヨークのことだと思って
たった今考えてたことだったからびっくりしたけど
「ん、わかった」
普通を意識して答えて
夕飯をテーブルに並べた
いつも通り食事をして、片づけをしてから
智が座ってるソファの隣に腰をおろす
「お待たせ」
智が俺の方に体を向けるから
俺も半身向けて座りなおした