• テキストサイズ

大野さんと松本くん

第2章 温度計


大野side

松本くんに無理やり医務室に連れて行かれた。
二宮くんが口開けてこっちを見てた。
昨日のしおらしさはどこへ行ったんだ…
まだ始業前だったから、ドクターは来ていなくて。
松本くんが総務まで行って鍵を借りてきて中に入った。

「とりあえず座ってください」
「平気だってぇ…」
「だめです」

きっぱりと言い切られて、しょうがなく俺は丸椅子に座った。
松本くんは体温計を探し出してくると、ドクターの椅子に腰掛けて俺のネクタイを緩めて、シャツのボタンを二個外した。

「うわおっ…」

なんだか知らないが、心臓が跳ねた。

「あっ…ごめんなさい!嫌ですよね…」
「ち、違う…脱がされたことないからびっくりしただけ…」
「あ…え?え?あ…」

なんだか知らないが松本くんも動揺している。
顔が真っ赤だ。
またそれが綺麗で…
色白だから頬を染める赤が鮮やかなんだ…

「綺麗だなあ…」

熱があるから思ったことが口をついて出てしまった。

「は…?」

呆気にとられてる顔をみて我に返った。
松本くんの手から体温計をひったくって脇に挟んだ。
ピピっと音が鳴るまで、凄く長く感じた。
/ 207ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp