第8章 プレゼント
松本side
「ニューヨーク!?」
仕事が終わって帰宅して
夕飯を食べてる時からずっと智は何かに悩んでいた
言いたくないことかもしれないし
何かあったら智から言ってくるだろうと思ったけど
一緒に風呂に入ってる時も智は唸ったりため息を吐いたりしていて…
心配になって「何かあった?」と聞いてみたら
言いずらそうに
この間本社に転勤になった部長にニューヨークの本社に来いと言われていると言って俺をぎゅっと抱き締めてきた
「うん…、でも断るつもりでいる」
「なんでっ」
「潤といれなくなるだろ」
俺の首元に埋まる智の頬を包んで視線を合わせた
「…潤?」
「…俺もニューヨーク行く」
「は!?」
「ずっと一緒にいるって約束しただろ…」
「だから、断るって…」
「それはダメ。せっかくの本社勤務の誘いだよ?もったいないよ」
智の首筋に今度は俺が顔をうずめた
「それにニューヨークは男同士にも優しいよ?…連れてってよ、ニューヨーク」