第8章 プレゼント
大野side
ケーキを食べ終えキッチンに箱を片付けてリビングに戻ると、潤はもううとうとしていた。
「少し早いけど寝ようか」
「ん…智、だっこ…」
「いいよ。ほら、掴まって」
潤の腕が俺の首に巻き付くと身体を抱え上げる。
半開きの寝室のドアを足で開けて中に入ると、キングサイズのベッドの上に潤を横たえた。
「ありがとう…智…」
「ん、いいよ…」
髪をなでてキスすると、潤の身体に薄がけをかけた。
「智も一緒に…」
「わかった。ちょっと待ってて」
キッチンやリビングの電気を消して戻ると、もう潤は夢のなかに居た。
少し微笑んで、しあわせそうな寝顔。
横に寝転がって頬を撫でながら、その寝顔をいつまでも眺めた。
「潤…これからもっとしあわせになろうな」
長いまつげを指で辿ると、少しくすぐったそうにした。
「愛してるよ…」
指で鮮やかなピンク色の唇をなぞるとくちづけた。
「大事にするから…ずっと一緒に居ような…」
まぶたにキスすると潤の首の下に腕を通して、腕枕した。
そっと肩を抱き寄せて腕の中に潤を仕舞うと目を閉じた。
「おやすみ…潤…」
そのまま深い眠りへ落ちていった。