第7章 マスキングテープ
大野side
「だから、お前ゲイならなんとかしてくれ!」
「なんでだよ…」
「だってお前俺のこと好きなんだろ!?」
「大野のことは好きだけど部長は…」
「なあ、頼むよ櫻井…じゅ…松本くんの貞操の危機なんだ!飯奢るから!」
「俺も暇じゃないんだよね…それにおれゲイじゃないし」
「はあ!?じゃあなんだってんだよ!」
「俺、バイだもん」
櫻井は誰にも見えないように俺にしなだれかかって来た。
「大野がどうしてもっていうならやってもいいよ」
「えっ…」
「条件がある」
そこに岡本部長が通りかかった。
「ああ…櫻井くんに大野くん」
「あっ…」
「外回り?」
「ああ、いえ。これから飯で…」
「じゃあ、一緒に行こう」
「えっ…」
散々だった…
岡本部長と櫻井という悪魔みたいな二人に囲まれて俺はひたすらフリーズしてた。
くたびれ果てて課に戻ったら、今度は潤がツンモード…
おい…誰のために…
「あー、松本くん」
手招きするとデスクの横の椅子に座らせた。
「今日は何時に…」
「終わりません」
「え?」
「ぜんっぜん終わりません」
ツン炸裂…
たーのーむー
話をさせてくれ…