• テキストサイズ

大野さんと松本くん

第7章 マスキングテープ


松本side

智に部長が呼んでると言われて、部長室のドアをノックする

デスクを離れるときに「気をつけろよ」と耳元で言われたけど…なんだろう、と思っていると、中から声が聞こえてきた

「失礼いたします、お呼びでしょうか」

今まで主任だったから部長とかかわる機会はほぼなかったし、今回は日本人初の営業部長らしいし…
緊張しながら中に入った

「松本くん、待ってたよ」

目力のある、キレイな部長はそう言って俺に椅子を勧めてくれた

向かい合って座ると

「はじめまして。岡本健一です」

言いながら片手を差し出された

「松本潤、です」

同じように手を出すとぎゅっと握られる
熱い手だった

俺の大学の先輩だという岡本部長とは、時折仕事の話も混ぜながら世間話のようなものをした
仕事の話は刺激にもなって、いいことも聞けたけど、ずっとまっすぐに見てくる視線が、なんとなく居心地悪かった

デスクに戻ると

「どうだった?」

智が向かいのデスクから聞いてくる

上司のことを悪く言うわけにもいかないし、仕事に関してはすごい人だと思ったから

「いい人でしたよ」

無難に返しておいた
/ 207ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp