第7章 マスキングテープ
大野side
こんなことが、楽しいんだ。
潤がやきもち妬いてくれるのが楽しい。
許してもらってそのあとするキスはとっても甘い。
だからって別にわざとヤキモチ妬かれに行ってるわけじゃないけど…
俺、基本的にドンカンだから…
退勤する潤の背中を見ながら、俺ものろのろと帰る準備をする。
「大野さん、週末ゆっくり休んでくださいよ。こんな時に倒れられたら困りますから」
「二宮くんもな。恋人に甘える時間も大事だぞ?」
そういうと真っ赤になりながらぷいと横を向いた。
「そういう大野さんは居るんですか…」
「いるよ?」
「えっ…」
「じゃあな。お疲れ~」
ニヤニヤしながら潤の後を追って待ち合わせ場所に着いた。
「待った?」
「ううん」
ちょっとだけ怒ってるふりをしてるけど、今日のは怒ってないな…
「潤の食べたいもの、なんでもいいよ?」
「…じゃあ、智…」
「え?」
「智が…食べたい…」
こんなん、お断りするバカどこにいるんだっ!?
その日はまっすぐ潤の家に行って、俺は食べられた。
週末だったし、久しぶりだったしで、骨の髄までしゃぶり取られた。
幸せ…