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大野さんと松本くん

第6章 マグネット


大野side

松本くんが身体を寄せて、ぎゅっと俺のジャケットを掴んだ。
その仕草が愛おしい。
ぎゅっと抱きしめていた腕を解くと、松本くんの顎に指をかけた。
クイッと上を向かせると、そこには頬を薄ピンクに染めた天使がいた。
触ることをためらった。
でも…もう我慢しなくていいんだ…

「目、閉じて…」

長いまつげのまぶたを伏せると、俺も目を閉じてそのふっくらとした唇に口付けた。
熱い…唇。
逸る気持ちを必死に抑えて、その唇の感触に集中する。

「好きだ…」
「うん…僕も…」
「ずっと…好きだ」
「おーのさ…」

堪らず、松本くんをソファに押し倒して、更に唇を貪る。

「ごめん…止まれない…」

唇の隙間から舌を滑り込ませて松本くんのそれを絡め取る。
松本くんの身体がびくりと揺れたけど、やめられない。
緩く舌を吸い上げながら、松本くんのジャケットに手を入れた。
脇腹をすっと撫でると、右手がそれを止めにきた。

「…いや…?」

大事にしたい。

だから、今日は松本くんが嫌がったら絶対にやめよう。
それだけは決めていた。

「ちがう…」
「ん…?」
「自分で…」

そう言って松本くんは起き上がった。
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