第6章 マグネット
松本side
金曜日
いつも通り1度家に帰ってから、大野さんと待ち合わせをした
待ち合わせ場所に行くと、大野さんはもう来ていた
「すいません、お待たせしました」
「俺も今来たから、大丈夫」
そう言う大野さんは、なんとなく緊張してるように見えた
「行くか」
しかも促されたのはタクシーで…
「店、遠いんですか?」
いつもなら歩きで近場の居酒屋が多いのに…
「ああ…、ちょっと遠いかな」
タクシーに乗り込むと、大野さんが行き先を告げる
その行き先を聞いてびっくりした
「え!?」
そこは…超有名って程ではないけど、知らない人の方が少ないようなホテルで…
思わず声を出すと、運転手さんに変な目で見られた
「あ…すいません、お願いします」
慌ててそう言うと車が発進した
いつもはラフな格好なのに
ちょっとカッチリとした私服の大野さん
これから向かう…ホテル…
緊張してるのは…そういうこと、ですか…?
これからのことを勝手にいろいろ想像して
ホテルに着く頃には心臓が落ち着かなかった