第6章 マグネット
松本side
土曜日の夕方、ビールがなかったからコンビニに行こうとドアを開けると大野さんが立っていた
「あ…ごめん突然…」
そう言って大野さんは寒そうに手を息で温める
「えっと…とりあえず、どうぞ…」
何かあったのか、とか疑問はいっぱいあったけど
立ち話にはつらい季節だから
とりあえず家の中に大野さんを招き入れた
ダウンを脱いで持ってた財布を置いて
コーヒーを2人分煎れる
それをテーブルに置くと
「ありがとう」
そう言ってカップに口をつけた
…あれ?なんか…声が変…?
「大野さん…風邪ひいてます?」
聞いてみると、びっくりした顔で見られた
「ああ…うん、少し風邪気味で…」
「大丈夫ですか?薬とか飲んでます?あ、効く薬あげましょうか」
薬箱を取りに行こうと立ち上がろうとすると
「松本くんっ」
強く呼ばれてびっくりした
「は、はいっ」
大野さんを見ると真面目な顔で俺を見ていて…
だから俺もソファに座り直した
「櫻井くんと話してきた」
その言葉を聞いて、続きを聞くのに少し緊張した