第6章 マグネット
大野side
松本くんが許してくれた気がして…
思わず頬が緩んだ。
そうだ、ぜえったい断ってやる。
櫻井はいつもモテモテで、女を侍らしていたんだ。
きっと俺のことからかってるんだ。
そう思ってたら、松本くんが飯を作ってくれると言い出した。
「いや、いいよ。酔っ払ってるんだから」
「大丈夫ですって」
そう言ってソファから立ちあがったけど、やっぱり足元がフラフラしてて。
「俺も…酔ざましのラーメン食べたいんで…」
そう言って台所に入っていった。
そっと後ろから追いかけて台所の入り口に凭れて松本くんを見てた。
インスタントラーメンだけど、丁寧に作ってくれて…
良かった…
出来上がったどんぶりを俺が持つと言ったら、いいって言われて。
「でも足元フラフラしてるから…」
「大丈夫ですって…」
そう言いながらトレイを持とうとして、松本くんはよろけた。
思わず腕に抱きとめてしまった。
「ほら…だから言っただろ…?」
抱きしめたかったけど、まだ櫻井くんにはっきり断ってなかったから身体を離そうとしたら、きゅっと腕を掴まれた。
期待…してもいいんだよね…?