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大野さんと松本くん

第1章 ホチキス


松本side

突然褒められてびっくりした

でも別に褒めてほしいわけじゃない

そんな風に、話しかければ調子が狂うし
やる気があるんだかわからない対応にイライラもする

だから、必要な報告とかのときだけにしよう

そう決めたのに…

必要なものを探しに倉庫に行ったときに
そこでサボってる大野さんを見かけたり

デスクでだって釣りの雑誌をよく見ているし

…なんでこんな人が課長なんだよ…

そう思っては、ため息を吐いた

目に見えて仕事ができるところを見たこともない

課長として尊敬できるところなんて見つからなかった


だから
絶対俺のほうが仕事はできる

そう思っていたのかもしれない


そんな自信が確認ミスを引き起こしたのかもしれない


朝礼が終わって
デスクに座ったとたんに電話が鳴った

「はい」

受話器を取った途端に
俺が進めていた企画の取引先の方の怒った声が
鼓膜に突き刺さった

「少々お待ちください…」

慌ててパソコンの中から資料を引っ張りだして確認をする

そこには言われてる通り、ゼロが一つ多く記載されていて…

「申し訳ございませんっっ」

俺の声に大野さんがこっちを見たのがわかった

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