第4章 そして、家族になって。
最初は、座敷童子でも出てきたのかと思ったが、よく見ると夜一に預けた筈の少女だった。
後から、夜一が申し訳なさそうに入ってくる。つられは、つぼみとの会話を中断して、少女に駆け寄った。少女は、けして浦原の足から動かなかったが、つられの顔を見る度大きな瞳から大粒の涙を流した。
「アレ?夜一サンが見ててくれるはずじゃ…」
「それがのう…突然泣き出して、口も聞かず連れてくるしかなかったんじゃ…」
浦原の問いに、頭を悩ます夜一。
「おいで、とりあえず私達はおいとましますわ」
行くわよ、喜助。と、少女を抱っこして店を、後にした。
「雰囲気ぶち壊してしまい申し訳ありませんでした」
そう言って、四人は、家路につく。平子は、一人ムカつきながら酒を飲んでいた。
〜十二番隊 隊舎〜
夜一は、もう一度謝ってから自分の隊舎に帰って行った。
とりあえず、三人はつられの部屋に向かう。本当ならば、浦原の部屋に行くところだが、最近また新しい実験を始めたらしく、部屋が汚い。
少女は、相当不安なのかつられから離れようともしないで、彼女の膝の上でぐっすり寝息を立てていた。
「相当、不安な思いしたのね」
起きてしまわないように、電気は付けずに月の光だけが部屋を照らしていた。今夜は、満月なのでおかげでとても明るく感じる。
浦原は、隣で少女の頭を優しく撫でているつられに口を開く。
「同情だったのかも…しれません」
「え?」
予想外な答えに、つられは思わず不安な表情を向けた。すると、喜助の方から彼女にキスを落とす。
「でも…今は、違う。ボクは、つられが好きッス」
今度は、つられの方からキスを返した。
「アナタは、嘘がつけない人だから…」
ニコッ。と、微笑むつられを月光が照らす。浦原は、思わずつられの背後に周り強く抱きしめた。
「愛してます」
「知ってる」
彼の告白を嬉しそうに聞くつられ。お互い微笑み合った。
すると。
「…んにゃ…」
その時、少女が目を覚ました。