第7章 変わりゆく自分
月曜日、松岡先輩は約束通り、
俺のことを迎えに来た。
学校に行くと言った俺を、
母親は始め、複雑な顔をした。
でも、変わろうとしている俺のこと、
応援したいと思ったのか、喜んでくれた。
でも、俺を迎えに来た松岡先輩を見たときは、驚いて一瞬固まったらしい。
先輩は笑って話してくれた。
まあ、実際、俺の家の周辺を、先輩が歩いているだけで、それはなんだか、そこだけ異空間で、別世界のようで...すれ違う犬の散歩をするおばあさんは、振り返って何度も見ていた。
「何だよ...宇宙人じゃねぇんだから..」
頭を掻く先輩は、何だか可愛かった。
俺が笑うと、
「櫻井、そうやって笑ってろよ!
お前、その方が、絶対にいいよ..」
「先輩...」
「後さ..その先輩っていうの、止めようぜ!
松岡でいいからさ...」
「...でも...じゃあ、松岡くんで」
俺がそう言うと、先輩は笑って、
「なんか、櫻井らしくていいや~」
と言った。
学校に着くと、
校門の付近に、見るからにそれとわかる集団がいた。
松岡くんの仲間...
もしかしたら、こんな時間から学校に来ない人も、いるのかもしれないけど、俺のために集まってくれたのか...?
「うぃ~っす///」
「おせ~ぞ、松岡~」
「何でそんな、張り切ってるんすか...」
そして、俺と松岡くんを囲む、
10数人の集団...
その周りを、近づかないように、
目を伏せ乍ら、関わらないように追い越していく学生たち...中には怪訝そうに俺に目を向ける者もいて。
そんな奴に、その中の一人が、
「じろじろ見てんじゃね~ぞ!!てめぇ///」
そう言って2,3歩前に出た。
慌てて走り去っていく数名の学生。