第27章 君が描いた未来
「雅紀が死んで、直ぐに潤が来てくれた...
始めはね、正直戸惑ってたよ...」
「...うん..分かってた」
「だけどさ、今まで雅紀がいた場所に、潤がいる...その風景が、不思議だけど嫌じゃなかったんだよね...
潤がいてくれたから、潤がずっと側で支えてくれたから、俺、今、こうして笑っていられるんだ...」
「...うん、それなら、よかった..」
「潤...これからは...いや、今日から、っていうより、今この瞬間から...本当の意味で、俺のパートナーになって欲しい」
...考えながら話す俺の言葉を、
黙って聞いていた潤の肩が震えている...
俺は、今までの感謝と、精一杯の気持ちを込めて、潤に伝える。
「潤...好きだよ...」
「......しょお..」
「泣くなよ...」
「だってさ///」
「潤...こっち向いて?」
「やだよ...」
「なんで~?」
「だってさ、鼻水が...」
「なんだよ~」
俺が笑うと、潤は『拭いて来る!』って、毛布から飛び出して部屋の中に駆け込んだ。
「全く...ムードねえな~...」
俺も笑いながら、潤の後を追って部屋の中へ。
ふと振り返ると、
大きな丸い月が、空に登っている。
......雅紀...
俺のこと見てる?
俺...これで良かったよね?
雅紀...
ずっと見ててね...
雅紀と過ごしてきた季節は、
今でも俺の中で輝いているよ。
掛け替えのない時間だった。
これからは、その大切な思い出と一緒に、
潤と生きていく...
いいんだよね?...これで。
雅紀...愛してる...
今までも、これからも...ずっと...ずっと...
「翔...」
テラスの窓から、気まずそうに潤が顔を出した。
「今、行く...やっぱ、寒いや...」
『やっとそうなったんだね...待ちくたびれたよ』
どこからか、
雅紀の優しい声が聞こえてくる気がした。
【 END 】