第27章 君が描いた未来
【 雅紀side 】
最後に...
最後の思い出に、翔の温もりが欲しかった。
この身体に、しっかりと彼の存在を刻み付けたかったんだ。
「いいよ、シよ❤」
「翔!!」
「その代わりに、俺が上に乗る...雅紀は寝てるだけでいいから...」
すこし頬を染めながら目を伏せる翔...
「それって...」
「...その方が、負担にならないから...俺に...イレてね...」
......ヤバい、可愛い...
なんだか、さっきまで...いや、ここに来てからずっと、男らしい、頼りになる彼ばかり見て来たから。
こんな風に恥じらう可愛い翔を見れるなんて...
翔は、ゆっくりと着ているものを脱ぎながら、
「雅紀は心臓が悪いとかないから、腹上死ってことにはなんないよ♪」
「ふっ、腹上死って///」
翔はサラッと言ったけど、俺は顔が熱くなるのが分かった。
「あっ、待ってて~。...一応ね❤」
翔はすっかり全裸になったまんまで、部屋の鍵を掛けに行った。
その後ろ姿が、何だか可愛くて。
「なんだよ~?何で笑ってるんだよ~?」
唇を尖らせてのベッドに乗って来た翔に、俺は両腕を突き出して、
「キス...して❤」
と言った。
俺の上に覆い被さってくる翔...
でも、体重をかけないように、腕を付いている。
翔....
熱い息遣いに胸が締め付けられる。
翔の親父さんに挨拶し、『もう、翔と会うこともない』と言ったあの瞬間に、こんな時間は二度と無いと諦めたのに...
「雅紀...好きだよ...」
翔のくれる熱い刺激に、俺の心は震える...
「...翔...」
「雅紀..」
「翔...」
「ふふふっ...何だよ~?」
「...愛してるよ...翔...」
「...うん」
「翔...翔...」
「...雅紀...俺も、愛してる..」