第25章 Happy Honeymoon❤
【 雅紀side 】
病院を移るのはそれなりに大変で。
担当患者の引継ぎは勿論、その他もろもろ...
細かいことまできちんと伝え、関係各所に挨拶にもいかなきゃいけない。
「相葉さんがいなくなると、困るわ~」
師長にそう言われ、俺はすみませんと肩を竦めた。
看護師は、最近は大分男性も増えたけど、全体ではまだまだ女性が多くて。
身体の大きな患者さんの世話は、男性の出番が多いのも事実で...
俺の代わりに配属になる若い看護師に、細かい引継ぎなどを行った。
「相葉さんに負けないように、頑張ります!」
そう元気に言いきった知念は、俺より二回り位小柄な男子で...師長が不安な顔をしたのも頷けた。
退職になる俺のために、有志を募って、送別会を開いてくれ、科を問わず、声を掛けてくれたためか、驚くほど大勢の人が集まってくれることになった。
俺のための送別会といっても、飲み始めればそこはもう、無法地帯...(^-^;
俺のことなんかお構いなく、みんな思い思いの人と、自由に酒を楽しんでいる。
「雅紀...ついに、櫻井の病院に移るんだな~」
風間はしみじみと言った。
風間も、この頃はすっかり俺と翔のことを応援してくれている。
「お前には本当にお世話になったよね~」
風間との歴史を思い出し、ちょっとしんみりしていると、
「大失敗して追い出されたら、また戻って来いよ!」
って...
「ちょっとぉ~!!冗談でも止めてよ!洒落になんないじゃん!」
笑い合う俺達。
ホントに...学生の時からずっと、風間には世話になりっぱなしだった。
師長に叱られた時も、ミスして凹んだ時も、
お互いに慰め合って、励まし合ってここまで来た。
そんな風間と、俺、離れるんだね...