第20章 卒業~Graduation~
結局振り切ることもできないまま、
遠藤と二人でそのまま個室に通された。
「翔く~ん、飲めるよね~?生でいい?」
「あ...うん...どうしようかな~..」
俺の返事を待たずに、遠藤はビールやサラダなど、
適当にいくつか注文した。
「じゃあ、取りあえず、かんぱ~い!」
ふたりきりで個室で飲むこと、雅紀のこと考えると、
少し気になってはいたし、
第一、遠藤の彼氏も、いい気はしないだろうと思うと、早めに切り上げた方がよさそうだと思っていた。
でも、元々気の合う友達だし、
話も面白い遠藤との時間は、酒の量が進みにつれ、
時間が過ぎるのも忘れていった。
「ねえ~...翔くん、翔くんは前に言ってた同棲してる彼女と、今も一緒に暮らしてるの~?」
不意に遠藤がそう聞いてきたから、
危うく吹き出すところだった。
「...えっ?な、なんで?そんなこと...」
「だってぇ~...やっぱり翔くん、いいな~...って思ってさ❤もし別れちゃったんなら、もう一回立候補しようかな..」
あ、この展開は芳しくないな...
これははっきり言わないと。
「...相変わらずだよ~...うまくいってる...」
「...そっか...そんなら私の入る隙なんかないね~...ざ~んねん///」
...残念って。
遠藤だって確か彼氏いたはずじゃん?
「あ~...別れちゃったの...クリスマスの2日前だよ?そんなときに彼女ふるっとかって、ありえないよね~」
ふられたんだ...こんないい子なのに...
「酷いよね~///こんな、イイ女いないのに...」
「喧嘩でもしたのかよ~?」
「喧嘩なんかしたことないよ!」
...じゃあ、なんで...?
「...奈都、他に好きな人がいるよね?って...いつも、他の人のこと考えてたよね...って...」
........遠藤...