第17章 医学の道、その2歩目
「...あの..」
「相葉くん...櫻井くんと来た時から、ずっと気になって、目で追ってたんだよ...気付かなかったでしょ?」
「...あ...」
彼女が、真っすぐ俺を見てる...
...告られたんだから...俺から言わなきゃ...
「あのさ..」
「相葉くん、好きな人いるよね?」
......
「分かってたよ...だって、恋してる人の目だもん、相葉くん...」
里美ちゃんが、そう言って笑った。
「相手は、聞かないよ?」
「里美ちゃん、俺さ、嬉しかったよ。こんな俺のこと、見ててくれたってこと。
いつも一生懸命な里美ちゃんは、とっても素敵だって思う...でも....気持ちには、応えられない...」
「うん...」
「...ごめんね..」
俯く俺に、彼女は、
「ごめんねって、ヤだな...そんな言葉、聞きたいんじゃないよ~...」
「...あ...ごめ..あっ..」
「ふふっ...もう!!相葉くんらしいよ...」
「フラれるの承知で告白したんだから、大丈夫だよ~どうしてもね、伝えてから玉砕してあげないと、私の片思いが、昇華できないって思ったから...
私こそ、ごめんね...困らせちゃった...
さっ!!勿体無いから、食べちゃお~っと//」
そう言って俯いて、パスタを頬張る里美ちゃんの、
フォークを持つ指先が、微かに震えていた。
......ごめんね...そして、ありがと。
俺に言われたくないだろうけどね..
君ならきっと、素敵な恋ができるよ...
そんな君に思われたこと、誇りに思うよ。
本人には言わなかったけど、
心の中で、俺はそう思っていた。
......帰ろう..
...翔の待つ、俺たちの城へ...