第14章 すれ違う中で
【 翔side 】
雅紀の言葉は、いろんな意味で俺の胸に刺さった。
そんな風に思ってたんだ。
今まで、全然気付かなかった。
いつも明るくて、
いつも一生懸命で、
いつも、俺を愛してくれて...
でも、俺の行動が、雅紀のことを不安にしていたんだ。
俺だって、いつも雅紀を羨ましいって思ってた。
太陽みたいな笑顔も、人懐っこい性格も。
俺にないものを、たくさん持ってて。
俺に真似できないものを、いっぱい与えてくれる。
......な~んだ(^^;俺たち、おんなじだったね。
目にいっぱい涙をためて、俺のこと見てる雅紀に、俺は両腕を広げて言った。
「雅紀、おいで」
「...翔...」
雅紀は俺に抱きついてきて、肩に顔を埋めて泣いた。
こんな風に、
弱味を見せてくれるのが、嬉しい。
本音でぶつかってきてくれるのが、嬉しい。
俺は、しゃくり上げる雅紀の背中を、
何度も何度も優しく撫でた。
「遠藤には、ちゃんと断ったよ。一緒に暮らしてる恋人がいるから、ごめん、って....」
「翔....」
俺は、正直に思ってることを雅紀に話した。
今の俺があるのも、こうやって、普通に生活できてるのも、雅紀のお陰で。
雅紀が救ってくれなかったら、こんな風に笑うことも忘れてた。
雅紀がいない人生は、もう考えられない。
雅紀が愛してくれたから、俺は、もう一度立ち上がることが出来た。
だから.....
「雅紀...愛してるよ...俺の気持ちは変わらない。生きている限り、雅紀だけを愛し続けるよ...」
「.......」
雅紀がゆっくりと俺から離れて、
俺の顔を見た。
.....改めて向き合うと、
俺今、物凄い恥ずかしいこと言った..よね...
あああ――――////
顔が熱くなる(≧▽≦)
たまらず俺は、
「何か言えよ...」と雅紀に言った。